アメリカの大学評価に関するケーススタディ ーサンフランシスコ市立カレッジと地域別アクレディテーション
今日は東大大学経営・政策コース科目等履修の大学経営政策各論(3)の9回目の授業。
なんと折返し!!!福留先生のアメリカの全4回の授業も今日で最終回です。
残りは、韓国を学ぶ予定。今日のテーマはこちら。
アメリカの大学評価に関するケーススタディ
ーサンフランシスコ市立カレッジと地域別アクレディテーション
アメリカと日本の大学制度の大きな違いは、民間の評価団体「アクレディティテーション団体」があること。
連邦政府の連邦教育省が、地域別アクレディテーション団体を認証(recognization)し、
アクレディテーション団体が、高等教育機関を評価・改善支援(accreditation)し、
その結果を受けて、連邦教育省(国)から、財政支援を行っています。
アメリカは、大学の設置自体は州政府が行っていますが、
日本のように設置基準自体は厳しいものではなく
むしろ設置後のアクレディテーションが重視されているのも、付随する特徴です。
アクレディテーションは、
民間による大学の監視がことの起こりなのですが、
連邦の資金援助が高等教育にとって重要性を増すなかで、
連邦政府がその仕組みを活用して、アカウンタビリティを確保していきました。
今回のケースは、
カリフォルニア州にあるサンフランシスコ市立カレッジ(CCSF)が
西部地区基準協会短期大学アクレディテーション委員会(ACCJC)に
「理由呈示命令」(show cause)という最も厳しい評価を受けたことに始まり
その結果に納得できずに裁判を起こしたという話です。
ここには
・財政問題がガバナンス問題に指摘が移行
・ACCJCは他のアクレディテーション団体よりも厳しいことで有名
(ACCJCは制裁率は約53%、他の地域のアクレディテーション団体は約12%)
・2008年のリーマンショック以降、カリフォルニア州の財政は厳しい状況にある
・カリフォルニア州は、他の地域よりもシェアドガバナンスの傾向が強い
などなど、様々なレベルの、しかし根は繋がっている問題があります。
結論としては、国全体としてのアクレディテーションの監査・基準統一が不十分ということが、いちばん大きな問題だと思いました。
もちろん、アクレディテーション団体をまとめる組織もあるのですが(CHEA)、
そこがよく機能していないようです・・・
(授業の内容を全部は書ききれなくてすみません)
感想
1.大学には、大学経営の専門家がいないことが大きな問題
アクレディテーション団体から指摘を受けても
それをガバナンスとかなにやらいろんな問題があるなかで、
期限を決めて、どんな優先順位で、どう進めていくかってそりゃ決められないです。
日本もそれは同じ、むしろアクレディテーションのような中間組織がアメリカほど発展していない分、もっとしんどいと思いました。
東大の大学・経営政策コースのような機関の存在意義も、改めて実感しました。
もっとアカデミック寄りがいいのか?実務寄りがいいのか?という問いには、まだ答えられないのですが・・・
2.日本の認証評価制度の見直し
グループディスカッションの中で、
日本は認証評価を受けて、改善活動をしてできなかったとしても、
作文でなんとかなってしまうんだよね~というコメントが出ました。
確かに!!!
それに対して、「今はね」と、先生。
今後、教育の質保証や三つのポリシーが強化されていくなかで、
その点についても厳しくなっていくのかもしれません。
今日はここまで。
アメリカの大学制度については、かなり興味深いので、
また残りの回についてもそのうちまとめたいと思います。
月曜日までのレポート2本、ほぼ手付かず・・これは徹夜コースでしょうか。
でも来週の土曜日は休み!息子とたくさん遊ぼう!!!